イリテュイア・リングの交錯する軌道下にあるクレーター地域(マニュアルp33〜34参照)の見学ツアー……もとい、観測作業が依頼の内容。
ジャーナリストの地位を利用し、昔からの夢だったクレーター見物の企画を立てたエミリアと、アドバイザーとして同行することになった彼女の先輩のスオミ、そしてエミリアのかけた募集に乗ってきた物好きなハンターたち。彼らの向かった先はイリュテュイア・リングからメモリシアを含んだ隕石が降り注ぐ地、グランダ・クレーター・エリアである。
ツアーに参加したハンターたちの動機はさまざまだ。弁当を作って配るもの、エミリア目当ての者、クレーターの成り立ちに興味のある者、隕石に含まれるメモリシアや希少鉱物を探すもの、隕石衝突の瞬間を間近で見たいと願う命知らずども(エミリア含む)、そして過去ステラマリスの悲劇に思いを馳せて未来を憂う者など。
これといった危険もなく、探索はいたって平和に進んだ。一部のハンターが懸念していた、クリーチャーの出現や闇のメモリシア業者の暗躍、仲間同士のトラブル……といった心配も杞憂に終わり、シュガー・メモリシアや、金塊の発見にハンターたちは沸いた。
ところが探索が進むにつれ、おかしなものも発見されはじめる。地面に埋まった人工物と思われる白い石、そして白骨化した遺体。エミリアの観光気分もだいなしである。
遺体のほうは、最近の遺体なのか古い時代のものかは調べてみないとわからない。白い石については、遺跡である可能性も指摘されているが……。
クレーターには未だ謎が潜んでいるようだ。
クレーターには二つ存在する。一つはスモリス大陸のクレーター。そしてもう一つが、今回エミリアが観測したい地域であるグランダ大陸のクレーターである。
リィン・フォーチュンがクレーターを見て一言。
「荒野っぽいわね……まあ、時々降石があるくらいだから、緑があまりないのも不思議じゃないかも」
リィンが周囲に異常がないか調査を開始する。ファル・ノルンやセリュシ・オーシャン、レイス・カルヴンクルスも同じように危険がないか調査した。
「異常はないわ。というより、この荒野化している場所が広すぎて……」
手と首を同時に振るリィン。
「クリーチャーが出る可能性は低いですねえ。或いは、いないかもしれませんねえ」
人間観測を兼ねて護衛として参加しているファル。こんな広い土地では容易に見つけやすいが、逆に隠れる場所が少ないような気がする。
「あたしもクリーチャーは見かけなかったね。この企画を快く思わない輩って奴がいるかどうかも探してみたんだけど、いなかったよ」
ほっとしているセリュシ。もし無粋な者がいたらプティハウンドのバッカスでお仕置きしてやろうかと力が入る。もっとも、もしそういった人物がこの場所で長くいたら、興昧のある者以外は嫌気をさしてしまうだろう。
「でも、もしかしたら遠くの場所にクリーチャーはいる可能性がありますね」
レイスの場合、シュガーを狙った闇業者も現れるのではないかと気になって仕方がない。その人物らしき者すらも見かけなかったので、エミリアは改めて皆に挨拶をする。
「皆もここで白分のやりたい事をしたいから参加してくれたんだから、今から白由行動にしますね」
待ってましたとばかりに、ナナイ・サーアイヴァーがエミリアに近寄る。
「エミリア、何か手伝うぞ。出来ればカメラがやりたいな」
本当は「仕事は後回しにして、一緒に空のデートでもしよう」と言いたい気持ちなのだが、ここは必死に堪える。
「有難う。カメラは一応軽めのものとちょっと重いのがあるけど……」
一応重めのほうを持ってみるナナイ。何とか持てそうだが、肩こりが出るくらいに重く感じた。観光気分で来たとはいえ、どちらかといえば報道局の二人が気になる様子。
「エミリア様、カメラの得意な方がいて良かったでございますね」
ヴァイオラ・ノインツィヒがにこりと告げる。彼女は世話人として参加している身であるが、ハンターギルド監察官として皆の行動を見守る事も大切である。
「おまえは調査とかしないのか?」
「ナナイ様、私は遠慮しておきます。確かにこういったのは危険を厭わないハンターの美徳でございましょう。でも私は御免でございます」
やんわりと断るヴァイオラ。人の行動は自由、頼まれる事はあっても強制的にやるものではないのだ。
こうして、皆それぞれに散り、調査などを開始する事になったのだった。
抜粋箇所からは外れますが、(別ゲーム関連で、掲示板上でお世話になった)小島崇さんのPCが、前作のメモリシア資源問題の話題を振っていたのが印象的でした。今作の核心を突いてると思います。
自分のPCに関しては、あんまり活躍していません。ちょっとハズレ。
アクションに書いた文章(危険を厭わないハンターの美徳〜云々)が決め台詞として使われていました。もう少しキャラの台詞らしく推敲すれば良かったなあ。
それにしても、割と慇懃無礼な感じに描写されていましたね。まあ、斜に構えた感じのアクションを出したせいなんですけど。プティハウンドをけしかけられなかったのは良いとして、「興味のある者以外」
である彼女は、途中で嫌気がさしていたに違いないでしょう(笑)。
アクションを読んで、色々想像を膨らませているうちに、キャラのイメージが固まってきました。
彼女は前作と今作の間に起きた、スレイヴドール大量廃棄された時期を生き延びた一人で、媚を売って人間の保護欲に訴えかけつつ、なりふり構わず自分が生き残るための手段を講じてきたようなスレたキャラ……って感じに動かしてみようかと。
メモリシア資源の話がリアクション上で印象的に扱われていたのに、リア上で二人しかいないスレイヴドールの一人が皮肉屋のサボリ魔では、ちょっと格好がつきませんしね。
■目的
仕事と割り切って、興味本位の参加者の面倒見
■動機
ハンターギルド監察官として、ハンターたちの行動の評価や、観測ツアーの安全を確保。
■プロット
他のハンターの目に付く点、例えば、(プレイヤーがアピールしたい)珍しい特徴に興味を示すとか、説明台詞で解説とか、気の利いた行動には素直に感心してみせたり、身振りを交えてオーバーリアクション気味に驚嘆してみせたり、はしゃいで褒めたりします。
「わあ、○○様は××が得意なのでございますね」(うさぎ耳をピクピク)
ハンター各人の行動の能力評価や、行動傾向把握は、ハンターギルド監察官の職務でございますからね。(それに、プレイヤー様的にも、第1回はみな自分のPC様の特徴を見てもらいたいと思いますでしょうし、他のPC様のことを知っておきたいでしょうから)
また、自分の生命を省みない無謀な行為、他人を危険に晒す行為ですとか、ハンターズ・ルールに抵触するような行動に関しては制止致しますが、多少の逸脱は大目に見て、人前では批判いたしません。ニッコリ笑って口では褒めつつ、記録にはバツ印です。
まあ、イリテュイア・リングからの隕石は貴重なメモリシア資源の原料ですし、その回収は、ハンターにとって最も重視すべき仕事ですからね。宝の山を目の前にすれば、危冒を厭わないのはハンターの美徳でしょう。……私は御免でございますが。